編曲依頼をいただきました

 

こんにちは。

モリスカンパニーのHamiです。

 

 

さて、モリスカンパニーでは楽譜の販売はもちろんですが、個別でのご依頼も承っています。

今日は以前モリスカンパニーに編曲依頼をいただいた奄美高校吹奏楽部さんから、無事に定期演奏会を終えられたとのご連絡をいただきましたので、そちらのご紹介をしていこうかと思います。

 

編曲依頼、興味はあるけれどなかなか踏み切れない、実際どんな感じなのか想像がつかない、そんな方への参考になれば嬉しいです。

 

 

 

今回ご依頼いただいたのは刑事ドラマ「古畑任三郎」シリーズから「テーマ」と「都市」の混合5重奏へのアレンジ。楽器編成は

 

・フルート

・クラリネット

・アルトサックス

・バリトンサックス

・パーカッション(ドラム)

 

 

全部員合わせて5名という少なめの人数ではありますが、比較的バランスの良い編成でした。

とはいえこの編成の出版譜があるかと言われるとなかなか難しいのが現状。

運良く見つけられたとしても、それが「やりたい曲」なのかどうかと言われればそれはまた別問題ですよね。

 

つまり「やりたい曲」ではなく「やれる曲」を演奏するしか選択肢が無くなってしまうわけです。これではせっかくの頑張りたい気持ちも半減です。

 

しかも演奏会を開くこと自体簡単ではないこのご時世。どうせなら生徒が演奏したい曲を演奏させてあげたい。また、選曲としても話題性のある曲の方が聴いてくださる方にも楽しんでもらえるのでは…? そんな思いでご連絡くださったのが顧問の先生でした。

 

 

アレンジ発注の内容としては以下の通りです。

 

・メドレーにしてほしい

・バリトンはアルトもしくはテナーに持ち替え可能

・全体的に難易度を落としてほしい

・納期は1か月

・楽器のできる教員が多いので、いざとなったら出動可能(!)

 

ここに私から原キーでなくても良い、という条件も確認の上追加させてもらいました。

やはり管楽器は他の楽器と比べると音域に制限が出やすいので、難易度を落とすという観点からも移調した方が無難、という見解です。

また、生徒と先生と一緒に演奏するというのも胸アツではあったのですが、ひとまず5重奏で進めることにしました。

 

 

上記を踏まえていざアレンジスタート!

 

まずは原曲を何度も聴き込み、頭の中でサウンドを置き換えてイメージを膨らませていきます。

 

例えば「この弦の動きはこの楽器に置き換えたら良さそうだな」とか「このフルートのフレーズは印象的だから置き換えはせず、アレンジでもフルートで原曲感を出そう」など各楽器毎にパートを割り振り、頭の中で全体を鳴らしながらあーでもないこーでもないと自分なりの最適解を探していくのです。

 

(昔からこの作業が好きで、暇な時はよく頭でやりたい放題に鳴らして遊んでいたので、今ではふと耳にした曲などでも「今のこのフレーズ、あの楽器にやらせてもオイシイかも」などと考える癖がついてしまいました笑)

 

 

ある程度イメージが固まったら楽譜におこしていきます。楽譜にしてみて初めて気づくことも多く、泣く泣く捨てるアイデアや迷う箇所もありますが、基本的な骨組みが変わることはほぼありません。

 

今回での例を1つ挙げると、「テーマ」の方では原曲がストリングス、主に低弦が全体の雰囲気を締める重要なポイントを担っていました。しかしそこをメインに楽器を組み立てると肝心の主ラインが細くなり、バランスが悪くなってしまいます。かなり迷いましたが、今回は他の箇所との兼ね合いと難易度を考慮してバリトンはテナーに持ち替えてもらい、低音部はバスドラムに一任しリズムだけで重さを出す、というアイデアを採用することにしました。一方で「都市」ではウォーキングベースと呼ばれる低音の動きが必要不可欠だったので、ここではバリトンで原曲ほぼそのままに演奏してもらいました。

 

 

このように様々な工夫を重ねながら仕上げていき、完成したら別スタッフによるアレンジチェックを経て浄書作業に入ります。

 

浄書とは楽譜の見た目をきれいに整える作業で、楽譜全体の仕上がりや価値を左右する大切な工程であるとともに、アレンジとはまた違う観点での音楽知識を問われる専門的な作業になります。

 

浄書が終わればやっと完成!

 

…と思いきや、ここでもダブルチェックは欠かせません。

モリスカンパニーでは要所要所で担当者以外のスタッフによるチェックを行っています。一人一人それぞれが責任を持って取り組んでいますが、それでも1人だけの目線では気付けないことって意外と多いものです。また、見る目が違えば出てくるアイデアも違います。その度に比較検討しながら進めていくので、おのずと完成度も上がっていきます。

 

“モリスカンパニーの楽譜って良いよね”

 

そう思ってもらえるように日々一丸となって取り組んでいます。

 

 

 

このような流れを経てやっと納品です。

以前は出力して現物を直接お渡しすることもありましたが、最近ではPDF形式でのデータ納品がほとんどになりました。

モリスでの通常の楽譜販売も、ご登録いただいたメールアドレスにダウンロードリンクをお送りする形になっています。(現段階では紙版での販売は行っておりません)

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

「楽譜を作ってもらうってなんかハードル高い…」

「編曲依頼って実際どういう流れなのかな…」

 

恐らくほとんどの方がそうだと思います。

しかし実際には「どの曲をどの編成でやりたいか」これさえ決まっていれば大丈夫。

あとはやり取りの中で必要に応じてこちらからご提案させていただきますし、不安がなくなるまでしっかりとご対応させていただきます。

 

 

・昔の吹部仲間と結婚式の余興演奏をすることに!でも集まったメンバーのパートがバラバラ…

・思い出のあの曲をもう一度みんなで歌いたい!けど伴奏譜がなくて…

・パートが偏ってるうちの吹部。でも最後の定演は大好きなあの曲をこのメンバーで演奏したい!

・この曲を連弾で弾きたいんだけどソロ譜しか持ってなくて…

 

 

全部まとめてモリスにお任せください!

あなたにぴったりの楽譜をご用意いたします。

 

金額に関しては編成や納期など内容によってケースバイケースになりますので、ご予算等も含め、まずはご相談いただければと思います。

お見積りまでは無料で行っておりますので、まずはサイトトップのcontactよりお気軽にご連絡ください。

また編曲依頼だけでなく、新曲委嘱や出版リクエストも受け付けておりますので、そちらもcontactよりお問い合わせください。

 

 

 

ちなみに……

奄美高校さんからは、ご厚意で ご報告と一緒に本番での演奏動画も送っていただきました。 自分も中高と吹奏楽をしていましたが、こうして大人になってから聴く中高生たちの演奏は当時とはまた違った感動がありますね。

加えて作編曲に携わっている身としては、自分の書いた楽譜を音にしてもらうということは何よりも嬉しく、「やってて良かったな」と思える瞬間です。

 

奄美高校吹奏楽部の皆さん、お疲れさまでした♪

 

(私もいつか奄美行ってみたいなぁ..。o○)

 

 

 

今日は少し長めのブログになってしまいました(^^;

次回はもう少しライト目な記事にしますね(笑)

 

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

 

モリスカンパニー

Hami